#3 パイプカット手術は実のところ痛い?

自分が手術してもらった約15年前のことは今でも忘れません

結論からお話しします

  『手術は痛くないが 局所麻酔が痛い』

さらに「術後は痛みが持続して かなり心配になった」

これが真実でした

自分でも麻酔は痛いだろうと予想はしていましたが

その痛みは「想定外の痛さ」「ビックリするほど痛いのです」

一旦 麻酔が効けば 手術の最中は特に痛みを感じませんでした

しかしながら術後の痛みは辛かったです

睾丸(精巣)から精管がつれるような痛みが持続しました

射精するとズキズキします 座っていても鈍痛があります

しばらくセックスどころではない状態が約1年は持続しました

勿論 今は痛みはありませんが 当時は「どうしてだろう」と心配になりました

自分がNSV法の第1号の患者として やって貰いましたが

手術手技ばかりに意識がいって「痛み対策」を全く考えていなかったのです

これでは全く駄目です

手術は常に麻酔とセットで考えなければいけません

一般に「この手術するときはこの麻酔がベスト」と外科医と麻酔科医が選びます

ちなみにパイプカット手術は私が留学していた英国では麻酔科医による全身麻酔で行われていました 理由は技術のない外科医 泌尿器科医が不用意にパイプカット手術の際 精管をグイグイ引っ張り 腹膜にその刺激が伝わり腹膜刺激症状で腹痛 吐き気 嘔吐がおこります 更に 問題なのは自律神経反射が起こり 気分不快 顔面蒼白 心拍数の低下から心停止まで起こることもあります

英国ではこの自律神経反射での心停止の事故があり 当局がパイプカット手術は麻酔科医の管理下にを行うよう勧告しました

これは20年前の話なので現状はわかりません

パイプカット手術は局所麻酔で十分手術出来ます

なかには全身麻酔でなければ出来ない人もいます

恵比寿MUクリニックでは200症例に一人の確率でした

停留精巣 移動精巣という病気で睾丸(精巣)を金玉袋のうえから触れない方々には局所麻酔では無理であるとご説明してお帰り頂きます

麻酔科医がいないところで絶対に全身麻酔をしてはなりません

外科医が自分でも全身麻酔出来ると自信があり 麻酔科医なしで手術しているところもあるでしょう 無医村で緊急手術なら許されることはあるでしょうが 現代の医療事情では許されることではありません

麻酔科医なしでの全身麻酔の手術は私は絶対に行いません

上手に局所麻酔して「ほぼ無痛の手術」が可能だからです

全身麻酔をする必要が殆どがないのです そのための局所麻酔に工夫は必要です 恵比寿MUクリニックにおける約10年での手術の向上は局所麻酔の技術の向上がなければ達成出来ていません

局所麻酔自体が痛いわけですから ここのところを上手くすればちゃんと麻酔が効いていれば手術は無痛で終わります

あとは手術手技自体で術後の疼痛は全く違うと考えています

手術手技については「手術の肝(キモ)」ですから簡単にここでは述べません

術中術後の良し悪しは 麻酔と手術の技術に集約されます

単にメスを使わなければ良いのか?

創部が一つでの手術すれば良いのか?

実は肝心なことはメスを使う使わないではなく

傷がひとつでも二つでも あまり関係ないと考えています

表面上NSV法の手術をしたから「楽チン」というわけでもありません

中味なのであります

自分自身が患者さんの立場で考えると様々なことが見えてきます

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